投稿いただいた活用事例

青山学院初等部だれもがくらしやすい社会を作るために ~校内のバリアを考える~

対象4年生(32名/1クラス)
教科社会
使用教材アニメーション教材「パラリンピアンが学校にくるとしたら」(香西宏昭選手編)

ねらい
校内のユニバーサルデザインを考える中で,立場によって,その校内のデザインの感じ方や捉え方,また,使いやすさが異なることに気づく。それらを「だれもが使いやすいデザイン」に変えるために必要なことをグループで考え,発表する。

授業の様子(流れ)

授業進行手順メモ(オリジナル資料)

授業者コメント

動画内で香西選手が子ども達に語りかけてくださるシーンが多く,「車椅子利用者」を身近に捉えて考えることができていた。また,「学校の中のデザインを考える」というテーマだったため,身近なこととして興味を持って取り組むことが出来た。アニメーションが「バリアフリーとは何か」から説明してくれたため,単発の授業でも使いやすいと感じた。

児童の反応

「こちらの善意が相手にとっての喜びにそのままつながるとは限らない」「(自分がこれをしてあげたい,だけではなく)声をかける,相手のニーズを聞くなどコミュニケーションをとることがもっとも大切」という新しい視点を得て,「使いにくさ」「くらしにくさ」の個人差,自分ができるフォローについて具体的に考える機会を持てたようである。

ICTの活用

使用ソフト:バイシンククラスルーム
使用方法:児童が手持ちのタブレット上で考えた内容を,電子黒板に画面共有して発表

授業のポイント

当校では「だれもがくらしやすい社会を作るために(福祉)」の単元の一つとして実施した。目が見えない人を介助する体験や車椅子体験を前後に配置することによって,「じぶんごと」として捉えることができるように工夫した。「自分の学校=身近な場所」について議題することで,「自分が使いやすいこととみんなが使いやすいことは異なる」ことに気がつかせ,「みんな(多様な背景を持つ人たち)にとってのくらしやすさとは何か」を考えさせる授業展開を工夫した。

児童感想

自分のことをじぶんでできたほうが、申し訳ない気持ちや無力感がなくなると言っていたので、助けるよりも今あるバリアをバリアフリーやユニバーサルデザインに変えられるようにしたいです。
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初めてあう人だと何をしたほうがいいのかも分からないので、先に「何か助けることありますか」と聞いて「おしてくれる」などと言われたら言われたことをやるなどしたいです。
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車いすだからって特別あつかいされるのはいやかもしれない。だから、動画でもあったように、本人に聞いてから手伝ってあげたりしたい。
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Q. 教材の魅力を教えてください。

車椅子ユーザーである香西選手本人が出演していることです。実際に来てくださるとなお心に響くと思います。また,「バリアフリーとは」から動画にまとまっているのも良かったです。

Q. 教材を活用を検討している先生方にメッセージをお願いします。

「低学年の学校探検(→バリア探し)」や「高学年の児童会活動(→学校を使いやすくするために)」などで行うこともできると思います。怪我をして松葉杖を使っている児童やお客様としていらした高齢者の方など「使いにくさ」を感じている人は少なくないと思います。話を聞いたり体験したりして,その「使いにくさ」「困ること」を見つけたり考えたりすること,そしてその「課題の解決」に重きを置いて授業を展開していくと良いのではないかと思いました。

Q. その他、事務局への要望やコメントなどあればお願いします。

「車椅子を実際にこぐ」「車椅子の方を介助する」などの体験とセットで授業ができると気がつくことが多いと思いました。また,(動画でも良いので)車椅子バスケットボールなどのプレイを実際に見る機会があると,プレイヤーへの興味や関心が広がっていくと思います。

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