滑川市立 東加積小学校みんなで楽しく活動しよう

対象座学 小学校5年生~6年生
実技 小学校4年生~6年生
教科座学 道徳
実技 道徳と体育
使用教材アニメーション教材「公平について考えてみよう!」
スライド教材「ゴールボールをやってみよう!(実技)」

ねらい
学校生活において、多様性を認め、誰もが個性や能力を発揮し、活躍できる公平な場を自ら作り出すことができる。

授業の流れ

実施期間:2024年10月~2025年2月に5か月にわたり授業を実施した

1時間目
  • 学活:「平等」、「公平」ってどんなこと?
2時間目
  • 道徳:ピンクのバッグ(公正、公平、社会主義)
3時間目
  • 道徳:きいちゃん(家族愛、家庭生活の充実)
4時間目
  • 集会:全員ドッジボール
5時間目
  • 道徳:技術で「障がい」をなくしたいー 遠藤謙 ー(真理の探究)
6時間目✩ 道徳:「みんなで楽しくドッジボールをしよう(座学)」
めあて:車いすのお友達といっしょにドッジボールをするにはどうしたらいいかを考える
主活動:「公平について考えてみよう(アニメーション教材)」などを活用しながら、公平な活動のために必要なルールや工夫について話し合う
公平について考えてみよう!
アニメーション教材「公平について考えてみよう!」
映像視聴
映像視聴
グループワーク
グループワーク
発表
発表
振り返り記入
振り返り記入
7時間目
  • 体育:4~6年でドッジボールを行う。
8時間目 体育:授業の事前にゴールボール体験
①ゴールボールについて知っていることを話し合う
②実技「ゴールボールをやってみよう!」の映像資料を使用
③実際にゴールボールをやってみる
ゴールボールをやってみよう!(実技)
スライド教材「ゴールボールをやってみよう!(実技)」
ゴールボール競技説明
【教師用映像】ゴールボールをやってみよう!
9時間目✩ 道徳と体育:「みんなでゴールボールを楽しもう(座学+実技)」
めあて:ゴールボールをもっと楽しくするには、どんな工夫ができるかを考えよう
主活動:前時の振り返りをもとにディスカッションを行い、「声をかけ合う」「怖くないルールを考える」などの意見を実技に活かす
ディスカッション
ディスカッション
意見交換
意見交換
実技
実技
振り返り記入
振り返り記入

✩:本時で行った授業

授業者・児童の声

先生(座学)

  • 最初の「平等」と「公平」の話し合いでは、児童がどれだけ「平等」と「公平」についてどれほど認識しているのか確認するための授業であった。児童のほとんどは、「言葉は知っているけど…」という程度であり、違いについては「分からない」「難しい」という意見が多かった。
    その上で、自分たちの社会の中には、いろいろな人が一緒に生活していることを知るために、道徳の教材を使って さまざまな考えや生き方について考える時間を設けた。
  • 授業の中で児童がここまで真剣に考えて、全員が発言するということは初めてだった。教材で扱っている活動が「ドッジボール」であるために、これまでの経験から自分事として考えることができた。
  • また、1時間目からの授業を重ねるごとに、相手意識をもつようになった。一人一人がいろいろな考え方をすることに改めて気付き、多様な考えを受け入れながら話し合うことができるようになった。

児童コメント

座学

  • “不公平にならないようにルールを決めて公平にすることが大切だと気付いた”
  • “みんなで遊ぶときは全員が楽しむことが大切だということを改めて思いました。また、不公平にならずに全員が同じ条件(公平)で遊べるようにルールを工夫したりしていきたいと思いました”

座学後に行ったドッジボールにて

ある班のアイデアとして出た「王様ドッジ」を行った。

  • “自分に全然ボールがこない。いつも王様ばかりがボールを投げる。面白くないし、不公平だ”

実技前の話合い

ゴールボールについて聞く

  • “知ってる。目の見えない人?がやるスポーツだよね”
  • “パラリンピックで見ていたよ”
  • “でも、障害がなくてもできるスポーツって聞いたよ”

実技の振り返り

  • “みんなが声をかけ合っていたからやりやすくて楽しくなった”
  • “まだ(ゴールボールが)怖い人もいるかもしれないのでもっとみんなが楽しめるように工夫したいです”
  • “障害のある人も健常者も共にスポーツを楽しめることがわかった”

補足情報

1. 授業時のポイント

全体を通したポイント

児童の生の声を大切にし、児童同士が互いに考え合えるようにした。また、教師は、発言を極力少なくすることを意識し、子供たちの発言を整理するファシリテーターに徹した。

座学でのポイント

  • 普段行っているのドッジボールはイメージしやすいが、車椅子の友達と一緒にドッジボールを行うことは、経験もなくイメージしにくいと思い、アニメーション教材「公平について考えてみよう!」をモニターで映し、本時のめあてに繋がる場面を考えやすくした。さらに、板書でも車椅子のめいちゃんのイラストを提示することで児童が本時考えることを焦点化した。
  • 全員がタブレットを開くと個々で考えるだけになってしまうと考えたので、話合いのグループ(3~4人)の代表者1台を使って全員で見るようにした。話合い中で必要があれば、児童がパラスポーツ協会の資料にあるQRコードを読み取り、考えのヒントとなるようにした。

実技でのポイント

  • 昨年、パリオリンピック、パラリンピックが開催され、日常の会話からオリンピックを見ていたという会話が聞こえていたことを思い出し、ゴールボールについてどのくらいの児童が知っているか確認をし、「ゴールボールをやってみよう!」の映像資料を見せた。そうしたことで、競技に児童が関心をもつことができ、「やってみたいな」「知りたいな」といった思いを高めた。
  • 座学は5・6年生が行ってきたが、実技から4年生も一緒に参加することで、多様な考えを期待した。
  • 1回目の実技での感想をもとに、本時ではどうすれば「楽しく(怖くなく)」できるか、グループで話合いを行った。
    各グループから出た「声をかけ合う」という考えを使って、実際に競技を行った。実際に行ってみて、児童の感想の変化を振り返りで紹介した。

2. ICTの活用

  • 全体で見るものは、教師のPCからアニメーション教材「公平について考えてみよう!」上にある画像や動画を映した。
  • タブレットでオンライン授業を行い、授業に参加できない児童も家から参加できるようにした。座学の時には、振り返りをロイロノートを活用したことで、オンライン授業で参加している児童も自分の考えや思いを提出できるようにした。

3. 教材の魅力について

  • 授業で活用できる画像や動画が豊富にあり、児童が視覚で理解しやすい教材になっている。
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